ピロリ菌3次除菌について
ピロリ菌は、慢性胃炎や胃・十二指腸潰瘍、さらには胃がんの発症リスクを高める原因とされており、除菌治療によってそのリスクを下げることが可能です。 除菌治療は高い成功率を誇りますが、全体の約1割の方は、薬剤への耐性などにより除菌がうまくいかないことがあります。保険診療としては、まず1次除菌を行い、失敗した場合には2次除菌が実施されますが、それでも除菌できなかった場合や、薬剤アレルギーなどの理由で保険適用が難しい方には、自費診療での3次除菌治療が必要となります。 当院では、保険適用の1次・2次除菌だけでなく、3次除菌や4次除菌(自由診療)にも対応しております。治療をご希望の方は、お気軽にご相談ください。
自費による除菌の対象となる方
- 1次および2次のピロリ菌除菌治療がいずれも効果がなかった方(3次除菌)
- 薬剤アレルギーや副作用のため、保険外の除菌療法を選択される方
除菌治療前の検査について
治療前に、ピロリ菌に感染しているかどうかを確認する検査が必要です。尿素呼気試験という方法で菌の有無を判定します。当院で判定済みもしくは他院での判定結果をご持参いただいている場合、不要です。
なお、検査前の飲食はお控えください。特に午前中の検査では朝食を摂らずにお越しください。検査の4時間前からは絶食が必要です。一部の胃薬や抗菌薬を使用されている場合、中止後2週間以上間隔を空ける必要があります。
使用するお薬と治療内容
3次除菌では、主に以下の3種類のお薬を1日2回で7日間服用します。
- ボノプラザン
- アモキシシリン
- シタフロキサシン
この治療により、約7~9割の方で除菌効果が得られています。
その他、アレルギー歴などにより別の薬剤を選択することもあります。
3次除菌にかかる費用について
3次除菌では、診察料・検査費用・処方箋料・お薬代の全てが保険適用外となるため、治療にかかる費用は全て自己負担となります。お薬に関しては院外の薬局でお受け取りいただくため先発・後発品などで価格に差異が生じますが、効果としては同等です。
初回診療
診察料 | 10,000円 |
---|---|
薬剤料 | 6,500~9,000円 |
除菌判定
尿素呼気検査(便中抗原検査) | 7,000円 |
---|
アレルギーをお持ちの方の除菌治療について
ペニシリンをはじめとする薬剤アレルギーがある方への除菌治療は、保険適用の対象外となり、全て自費での対応となります。
当院では、薬剤アレルギーのためにこれまで除菌治療が行えなかった方に向けて、自費診療による除菌治療を実施しています。
ペニシリンアレルギーの方には、ペニシリンを含まない抗生物質を使用して治療を行いますが、除菌効果は一般的な治療と同等であり、高い成功率が期待できますので、ご安心ください。
治療では、胃酸分泌抑制剤に加え、ペニシリンを含まない2種類の抗生剤を組み合わせて処方します。使用するお薬の種類や組み合わせは、患者様のアレルギー歴や体質(下痢をしやすいなど)に応じて調整いたします。
除菌治療による副作用について
除菌治療では、3種類の薬剤のうち2種類が抗生物質であるため、主にアレルギーや消化器症状の副作用が報告されています。
下痢や軟便が多く見られますが、稀に味覚障害や肝機能障害が生じることもあります。なお、肝機能の変化は自覚症状が乏しいため、定期的な検査で確認されるケースが一般的です。
発疹・かゆみ・発熱といったアレルギー症状が起きた場合は、速やかに医師または薬剤師にご相談ください。
軽度の副作用が起きた場合
当院では消化器症状の対策として整腸剤も併せて処方をしております。治療を完遂するために軟便や軽い下痢、あるいは味覚の違和感などが生じた場合でも、自己判断で服薬を中止したり、用量を変更したりせず、指示通りに服薬を継続いただくことが望ましいですが、症状が強くなった場合は、すぐに当院までご相談ください。
重度の副作用が起きた場合
以下のような症状が出た場合は、直ちに服薬を中断し、医師または薬剤師の診察を受けてください。
- 発熱や腹痛を伴う強い下痢
- 血液や粘液が混じる下痢
- 発疹や全身のかゆみ
- 喉の違和感や息苦しさ